嵐の様な人【春月】

チャイムの音に乗って下校していく生徒達。

テスト期間前1週間の為、部活がなく暇な俺もその波に乗って教室を後にした。

部活動停止期間は勉学に励む為にとして設けられているが、毎日厳しい練習を続けていた体にとっては、リズムを掴めずにいる。

外に出ると生ぬるい夏のが吹き付ける。

・・・もういっそ息苦しいくらいだ。


昨日もそうだったけど、今日も家に帰ったら適当にちょっと勉強して何もしないで終わるんだろうな。

テスト直前にならなきゃあまり勉強をしない(授業をちゃんと聞いていたらある程度はできる)から、本当に暇な期間だ。



(……あー体動かしたいな…)



校門を潜り、一歩外に出ようとした時・・・



「いーづきーくんっ」

聞きなれない声で自分の名前を呼ばれた。

呼ばれた方を見ると、周りとは違う制服の男。

よく見ればつい先日、準決勝で当たった正邦の副将、俺がマッチアップしていた春日だった。


「……春日さん。わざわざ他校に何のようです」

同じ東京ではあるが、正邦と誠凛はそう近くはなかった。

むしろ少し遠い。


「何の用ってー伊月くんに会いに来たんだけどー」

「俺、ですか」

何故自分なのかわからなかった。
というか会いに来たとか何?


「そー伊月くんに。今日暇?遊ぼー」

と言うなり春日さんは俺の手を引っ張っていく。

「ちょっ俺テスト前期間で・・・」

「でも勉強する気ないでしょ?せっかく来たんだからちょっとだけいいじゃん。」


・・・かなり自分勝手。
1個年上であるし、春日さんの言う通り勉強もする気あんまりなかったから何も言えなかった。



結局、スポーツショップ行って、本屋に行ってなんだかんだでお腹が空いたとかでご飯を食べて、普通に話をして・・・

とてもつい最近会って、試合したもの同士とは思えないくらい春日さんの態度は砕けていた。


「あー面白かったー、何か伊月くんと遊ぶと新鮮でいいわー」

「今更ですけど何で俺なんです?」


あっちにだって岩村とか津川とか一緒にスポーツショップいったり本屋行ったりご飯食べる相手なんているはず。

わざわざ誠凛にまできて、俺を誘う理由がわからない。


「んー伊月くんに会いたかったから?」


疑問系ですか。。。
相変わらずニコニコした胡散臭い表情で続ける。


「いままで会ったことのないタイプだったし、俺の好み?だから伊月くんメアドと番号教えてー」

「は?」


好み?メアド?番号?
俺の頭の上にはてながいくつもでてきた。

その間に勝手に春日さんは携帯を奪い操作をした。


「・・・と、登録しておいたから連絡するねー。じゃ、俺時間ヤバイから帰るわー」

「あっはい」


何だか嵐のような人だった。
春日さんは時間(遠いところから来ているから当たり前)がやばいって行って急いでその場を後にした。

俺は状況についていけず固まったまま。


「なんだったんだろ・・・」


帰ろうかな・・・
と思ったとき、先ほど登録さればかりのアドレスからメールが届いた。



『今日はありがとねー。
 また遊ぼー

 あとそれと俺伊月くんのこと好きみたいだから覚悟しておいてねー。』



・・・なんですかこれ。
何を覚悟しろと言うのだか。。。

この日を境に俺の前にしつこく春日さんが姿を表す様になった。


本当に嵐の様な人だ。。。
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